2008年 08月 12日
バットマンは何故、「ホワイトナイト」ではなく「ダークナイト(闇の騎士)」なのか。 このブログで常々言っているように人間の中には善の面と悪の面、二つの顔が共存しており、絶対善も絶対悪も居ないということだ。 誰の心の中にも悪が存在することが丁寧に描かれている。 バットマンは悪を倒す為なら街をも破壊する。 だから市民からは禍をもたらす厄介者とも思われる。 平和のためには時には暴力も必要だ。 武器を捨てれば平和になるなんてことは絶対無い。 マギー・ギレンホール演じるレイチェルがブルースに言う。 「あなた(バットマン)が必要のない平和な世界になったら結婚する」と しかしレイチェルはバットマンの必要としない平和な世界など来ないことを知っているのだ。 絶対的な平和など無いと思っている自分も大いに共感できる。 平和を維持するには永遠に戦い続けなければならないのだ。 しかし理想に燃えるバットマンは、いつの日か自分を必要としない日がくると信じて戦い続ける。 最後、大型フェリーで街を逃げ出す市民たち、一方には市民が満載、もう一方は囚人が満載。 そのフェリーにはジョーカーの仕掛けたガソリンと発火装置があり起爆装置はお互いの船にある。 囚人の船にある起爆装置を押せば市民のフェリーが爆発。 市民の船にある起爆装置を押せば囚人のフェリーが爆発。 12時までにどちらかが起爆装置を押せば押した方が助かるという仕掛けだ。 全ての人間の中には悪の心があり、どちらか必ず押すだろうというジョーカーの仕掛けた人間の良心に対する究極の挑戦状。 このシーンは見応えがある。 ヒース・レジャーのジョーカーをもう観られないのが至極残念。 2007年 11月 06日
戦争映画の基本としてドイツ兵=絶対悪、オランダ人=絶対正義と描かれているような映画だったら観る価値もない糞である。 実話ではなく創作のシンドラーのリストはユダヤのプロパガンダ映画だし、ドイツ兵絶対悪のプライベートライアンは冒頭のオマハビーチだけ観ればいい。 この作品はドイツ人に善人もいれば悪人もおり、オランダ人にも悪人がいる。 「ヒトラー~最期の12日間」に匹敵する傑作だ。 映画「ショーガール」でラジー賞(最悪監督賞)を受賞したヴァーホーヴェンが、こんな素晴らしい作品を撮れるとは! この作品、スパイ大作戦みたいな作品かなと見始めたのだが、戦時中が舞台ではあるが戦争映画と言うよりは人間模様が描かれている作品だ。 スリリングでサスペンシブル、最後の最後まで落ちが見えない。 最後まで観ると誰が正しくて誰が悪だなどは分からなくなるはず。 そしてラストシーンに脱力させられる。 創作として楽しもう。 2007年 08月 27日
![]() 昨日の将棋でこの名シーンを思い出した。 ライバル関根との対局、苦しい将棋の中、2五銀を放ち関根に勝利する。 歓びに浸る三吉、しかし娘玉江はそんな三吉が面白くない。 玉江は言う 「おとっつぁん、あれ本当に立派な勝ちやと? おとっつぁんはな、将棋はただ勝ちさえすればいいと、違う。将棋はただ勝ち負けだけのものじゃない。 おとっつぁんが今のような将棋を指している間はとっても関根はんには勝てんわ。 勝負には勝てても将棋には勝てへん。 おとっつぁん、あて、ほんまのこと言うてみようか。 2五銀と打った手な。将棋の歴史始まって以来の大事件みたいにみんな騒ぎ立ててるけど、あれ、おとっつぁん、苦し紛れに山勘で打った手と違うか?そやろ。え?違うか? あの時は誰の目から見てもはっきりもうおとっつぁんの負けと決まってたんや、それをおとっつぁんは負けるのが嫌だから闇雲に打ったんや!関根はんそれに引っかからはって慌ててあの銀を討ち取りにかかって、自分と自分で負けはったんや!おとっつぁん勝ったんと違う!」 怒りにうち震える三吉 玉江は続ける 「聞いて聞いて!勝つだけの将棋、どんな手を打っても勝ちさえすればいいという将棋は雲助将棋や! そんな将棋打ってて、それでええのんか? おとっつぁん、一生の望みは立派な天下の名人になるんと違うんか?あんな山勘の手を打って自分でも恥ずかしいことあらへんのか」 三吉はカッとなるも図星であり心入れ替え将棋に打ち込むのだった。 昨日の将棋は勝負には勝っても将棋には負けていた。 全道大会では恥ずかしくない将棋を指したい。 将棋映画は数が少ない。 赤井英和の「王手」と瀬戸朝香の「とらばいゆ」三國連太郎の「王将」位しか思い浮かばない。 その少ない作品の中でもバンツマの王将が群を抜いている。 バンツマ版王将はDVDが発売されている。 チェスは「ボビー・フィッシャーを探して」をオススメしたい。 2007年 04月 07日
久々にホームランが出ました。 途中から涙腺が壊れたんじゃないかと思う位涙が出てきました。 静ちゃんの演技にも涙。 学生時代のサークルに福島県出身の先輩が居た。 あの先輩も本当訛ってたよな。若いのに何でこんなに訛ってるんだろうと思った。 地元の彼女を連れて遊びにやってきたら彼女も同様に訛っていた。 この映画を観てまず、あの先輩を思い出した。 蒼井優演じる谷川紀美子の親友が夕張に旅立っていきますね。 夕張もまた閉山されるわけです。あの娘はその後どうなったんだろうな。 夕張は閉山後破綻への道を歩んでいくわけです。 「仏を作って魂入れず」というか箱物を作っても人材を育てなかった夕張と「人を育てた」常磐ハワイアンセンター、この違いは大きいと思います。 時代の流れに合わせて人は変わっていかねばならない。そう感じさせてくれる作品。 同じく鉱山が舞台の「遠い空の向こうに」や「リトル・ダンサー」を思い出させますね。 フラガールスタンダード・エディション 2006年 11月 02日
この思い出の映画コーナーをすっかり忘れていた。 <MSN映画コミュに書いたものを転載> 映画を何本も観てると予告編を見たら何となくストーリー展開や結末が読めるのですが、この「エターナル・サンシャイン」は全く先が読めず一寸先は闇状態。ドキドキハラハラ感が堪らない。カウフマンの映画は今一ぴんと来る作品はなかったけど、これは壺にはまりました。 記憶のパズルに一つずつピースをはめていって最後に完成図が現れた絵は美しいものでした。 ケイト・ウィンスレットはやっぱり上手いですね。いつまでも「タイタニックの」と付けられるのは気の毒。 ジム・キャリーは自然体の演技、彼の最高傑作だと思います。 忘れてしまいたいほど辛いということはそれ程深く相手を愛していたということ。 記憶を消したいほどの失恋を経験した人は是非ご鑑賞下さい。 2005年 08月 24日
監督 キャメロン・クロウ出演 フランシス・マクドーマンド、ケイト・ハドソン、パトリック・フュジット 「セイ・エニシング」「ザ・エージェント」のキャメロン・クロウ監督が自身の体験を基に、ブレイク寸前のロックバンドのツアーの同行取材を任された15歳の少年の姿を描いた青春音楽ムービー。少年が恋するグルーピーの少女を演じるのはゴールディー・ホーンの娘ケイト・ハドソン。15歳の少年ウィリアムは伝説的なロック・ライターに自分の記事が気に入られ、ローリングストーン誌の仕事をもらう。さっそく取材で楽屋を訪れた彼は、グルーピーの中にいたペニー・レインに一目惚れする。 ![]() DVDが雑誌の懸賞で当たったので今回はこれ 冒頭のシーン コートの下にレコードを隠して姉が帰宅する。 母「コートの中は?」 サイモン&ガーファンクルのレコードを出しながら 姉「音楽も聴けないの?」 母「麻薬とセックスの歌よ」 姉「詩的な歌よ」 母「そうよ。麻薬やセックスの詩だわ」 サイモン&ガーファンクルのジャケットを指さしながら 母「マリワナづけの目よ」 このやりとりが最高におかしく、名作の予感がしました。 ロックを愛愛する少年が永遠に忘れない初恋の相手と出会った美しくちょっと切ない青春劇。 グルーピーならぬバンドエイドのケイト・ハドソンの最高傑作。 2005年 07月 22日
スペースシャトルが無事打ち上げられることを祈ります。 ![]() 監督: フィリップ・カウフマン 音楽: ビル・コンティ 出演: サム・シェパード、エド・ハリス、スコット・グレン 米ソ冷戦時代に繰り広げられた米ソ宇宙競争。初の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」を描いた作品。 上映時間が3時間以上あるが興味ある人には当時の訓練の様子なども知り得るし決して長く感じない作品に思う。 血湧き肉躍るビル・コンティのテーマ曲が素晴らしい。 今やすっかり中年のデニス・クエイドは若造役です。 特筆すべきはサム・シェパードの演じたイエーガー。大卒じゃないという理由で宇宙飛行士になれなかった男はひたすらより速くより高く戦闘機で目指すのだ。 男達のドラマだがそれを陰から支えた妻達を描くのも忘れなかった。 この作品を観てサム・シェパード、エド・ハリス、スコット・グレンの渋いおやじ達のファンになった。 特典ディスク付き2枚組のDVDが9/2に1.980円で発売される模様。お薦めです。 http://www.whv.jp/database/database.cgi?cmd=dp&num=3242 受賞歴 アカデミー賞(1983) 編集賞、作曲賞、音響賞、音響効果賞 2005年 06月 28日
生年 ■ 1954/10/23 出身地 ■ 台湾 ■75年に国立芸術専門学校を卒業した後、アメリカに渡る。イリノイ州立大学とニューヨーク大学で映画を学び、卒業製作作品が84年のニューヨーク大学学生映画祭でグランプリに輝いた。91年の台湾・アメリカ合作の「推手」で商業監督デビュー。93年の「ウェディング・バンケット」と94年の「恋人たちの食卓」で2年連続でアカデミー外国語映画賞候補になった。00年の「グリーン・デスティニー」は、第73回アカデミー外国語映画賞など4部門を受賞。 残念なのは初期の大傑作「プッシングハンズ」「ウェディング・バンケット」「恋人たちの食卓」の父子愛三部作が日本ではDVD化されていない。 ビデオレンタル店でもあまり置いてないのでネットオークションにて購入し鑑賞しました。 ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール共演の次回作「Brokeback Mountain」が楽しみ。 推手 プッシングハンズ評価7★★★★★★★ 息子夫婦を頼って米国に渡ってきた朱老人。 しかし息子の嫁は言葉も文化も違うアメリカ人。 嫁と舅の確執を描いた作品。 朱老人が自分の居場所を見つける様を描いた心温まる作品。 ウェディング・バンケット評価8★★★★★★★★ アン・リー監督の最高傑作。 息子の結婚を心配する親、親にゲイであることをばれたくない息子は中国からの移民娘と偽装結婚。 同性愛、移民問題、親子の問題を温かくコミカルでそれでいて感動的な作品となっている。 受賞歴ベルリン国際映画祭金熊賞 恋人たちの食卓評価7★★★★★★★ この映画を端的に言うなら「老いてもなお盛ん」 3姉妹と料理人の父親の物語。 出てくる料理がどれも美味しそうでそれを見ているだけでも楽しい。 いつか晴れた日に評価8★★★★★★★★ ジェーン・オースティン原作の恋愛ドラマの古典。 エマ・トンプソン、ケイト・ウィンスレット、アラン・リックマン、ヒュー・グラントと英国を代表する俳優が出演。 ケイト・ウィンスレットはこの映画のような天真爛漫な役をやらせたら実にうまい。 受賞歴 アカデミー賞(脚色賞エマ・トンプソン) ベルリン国際映画祭金熊賞 アイス・ストーム評価6★★★★★★ 「アメリカンビューティー」同様アメリカの家庭に潜む病巣を扱っている映画。 ケヴィン・クライン、シガニー・ウィーヴァー、イライジャ・ウッド、クリスティナ・リッチ、トビー・マグワイア等々キャストも豪華。 しかし日本人には取っつきにくい作品だと思う。 シビル・ガン楽園を下さい評価6★★★★★★ トビー・マグワイア主演の南北戦争物。 南北戦争物といっても北軍対南軍というものではなく。 南軍にいながら疑問を持ち続ける青年が主人公の作品。 グリーン・デスティニー評価7★★★★★★★ 西洋人が好みそうなオリエンタルムード満載の映画。 チャン・イーモウの「HERO」と見比べれば分かりますがワイヤーアクションの使い方が巧く美しい。 受賞歴 アカデミー賞(外国語作品賞、撮影賞、作曲賞、美術賞) ハルク評価5★★★★★ グリーン・デスティニーの成功で監督のオファーが来たのだと思いますが監督が本当に撮りたかった作品とは思えない。 アクション映画の駄作になってしまいました。 アン・リー唯一の失敗作と言っても良い。 2005年 06月 23日
鈴木杏主演でドラマが製作されたらしいので今回はこれ。 多分「ウォーターボーイズ」のヒットで何か青春ものはないかってことで白羽の矢が立ったのでしょう。 ![]() 磯村一路監督は「船を降りたら彼女の島」「夏解」「雨鱒の川」等、故郷への愛を描くのが好きな監督だ。 彼の作品は色々観させてもらいましたが本作が最高傑作だと思います。 この作品は四国松山が舞台で女子ボート部の物語。 瀬戸内の穏やかな海、そこに浮かぶ一艘のボート。 引きで撮ったショットが実に美しい。 青春時代の友情や初恋の思い出があったりノスタルジーに浸れる作品。 高校時代に部活をやっていた人は自分に重ね合わせ自分の学生時代を思い出す。 ラストの大会のシーンは一緒にボートに乗っているような気持ちになり手に汗握りながら観てしまった。 田中麗奈のデビュー作、今は貫禄すら感じられる彼女の初々しい演技が観られる。 「がんばっていきまっしょい、しょい」というかけ声は元々松山東高の伝統ですが、 モー娘。はこの映画からぱくったのではと思います。 絶版だった原作本が文庫本として発売されたので早速購入した。 映画版公式HP ドラマ版「がんばっていきまっしょい」HP 小説「がんばっていきまっしょい 敷村 良子著 幻冬舎文庫(520円)」 2005年 06月 09日
![]() 監督 エドワード・ズウィック 出演 マシュー・ブロデリック、デンゼル・ワシントン、モーガン・フリーマン 「ラスト・サムライ」のズウィック監督が南北戦争において実在した黒人部隊、第54連隊の運命を描いた歴史大作。 この監督はマイノリティのアイデンティティを主題に置いてるせいか「ラスト・サムライ」でトム・クルーズが渡辺謙に食われたようにマシュー・ブロデリックは完全にデンゼル・ワシントンやモーガン・フリーマンに食われちゃってます。でもマシューは賛否両論あるものの、顔がベビーフェイスなので物語が進行してもたくましくなって見えない所はマイナス点ですが金持ちの坊ちゃんで頼りない男は適役だったと思います。 デンゼル・ワシントンの右頬に一筋見せる涙は人間としての誇りと悔しさが伝わり、観る者の胸を打ちます。 ジェームズ・ホーナーの曲と共に繰り広げられるラストのフォート・ワーグナーの戦いは魂を揺さぶられました。 この映画を観て今のアメリカ社会においてアフリカ系アメリカ人は真の意味で自由をつかんだと言えるのだろうかと考えてしまった。 受賞歴 アカデミー賞(助演男優賞、撮影賞、録音賞) ゴールデン・グローブ賞(助演男優賞) その他の南北戦争を扱った作品 「風と共に去りぬ」(ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブル) 「楽園を下さい シビル・ガン」(アン・リー監督、トビー・ワグワイア主演) 知名度は低いですがこれは結構好き。 「ダンス・ウィズ・ウルブス」(ケヴィン・コスナー監督主演) < 前のページ次のページ >
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